礼儀の大切さ

中学野球から高校野球へ。

この時期は、球速を上げたい、打球を遠くへ飛ばしたい、レギュラーになりたいなど、技術面への関心が高まる時期だと思います。

もちろん、技術を磨くことは大切です。中学時代にしっかり練習し、自分の武器を身につけておくことは、高校野球で成長するための大きな土台になります。

しかし、長く野球の指導に携わってきて感じるのは、高校野球に向けて準備するのは、技術だけではないということです。

その一つが、礼儀です。

⚾ ① 挨拶は、自分からできる選手になる

挨拶は、野球をするうえで基本となるものです。

指導者や先輩に挨拶をする。グラウンドに来たとき、帰るときに自分から声を出す。練習試合で相手チームや審判に挨拶をする。

どれも難しいことではありません。

ただ、言われてからする挨拶と、自分から進んでする挨拶では違いがあります。

高校に進学すると、初めて会う指導者や先輩、同級生と一緒に生活することになります。自分から挨拶ができる選手は、周囲と関係を築く第一歩を踏み出せます。

大きな声を出すことだけが大切なのではありません。相手の目を見て、気持ちを込めて挨拶をする。

中学生のうちから、そんな当たり前を身につけておきたいものです。

🤝 ② 礼儀は、相手を大切にする気持ちから生まれる

礼儀というと、先輩に敬語を使うことや、決められた作法を守ることを思い浮かべるかもしれません。

もちろん、それも大切です。

しかし、礼儀の本質は、相手を大切にする気持ちにあると思います。

道具を貸してもらったら、お礼を伝える。練習を手伝ってもらったら、感謝する。仲間が話しているときは、きちんと耳を傾ける。

こうした行動は、野球の技術とは直接関係がないように見えるかもしれません。

それでも、チームで野球をする以上、自分一人の力だけで成長できるわけではありません。

指導者、先輩、同級生、保護者、対戦相手など、多くの人との関わりの中で野球ができています。

そのことに気づき、感謝を行動で表せる選手になってほしいと思います。

🏫 ③ 高校野球では、野球以外の部分も成長につながる

高校に進学すると、練習の強度や技術面の要求が高くなることがあります。

思うように結果が出ないこともあるでしょう。先輩との関係に悩んだり、自分より技術の高い選手を見て焦ったりすることもあると思います。

そんなときに大切になるのが、日々の姿勢です。

指導者の話を素直に聞くこと。分からないことを自分から質問すること。失敗したときに言い訳をせず、次に何をすべきか考えること。

ただし、素直であることは、何でも黙って従うことではありません。必要なときには自分の考えを伝え、分からないことを確認する姿勢も大切です。

礼儀を身につけることは、自分を小さくすることではありません。

周囲を尊重しながら、自分自身も成長していくための土台になるのです。

🌱 ④ 道具やグラウンドを大切にする

グラウンド整備や道具の片づけにも、その選手の姿勢が表れます。

練習が終わったら、使った道具をきちんと片づける。グラウンドを整備する。自分の道具を大切に手入れする。

こうした行動を、面倒な仕事だと考えるか、チームの一員として当然のことだと考えるか。

日々の小さな積み重ねですが、野球に取り組む姿勢を見直すきっかけになります。

もちろん、道具を丁寧に扱う選手が必ず活躍するわけではありません。礼儀正しければ技術が伸びると単純に言い切ることもできません。

それでも、技術の向上だけを追い求めるのではなく、準備や片づけまで大切にする姿勢は、野球を続けていくうえで身につけておきたいものです。

🔥 ⑤ 中学生の今からできること

高校野球に向けた心作りは、特別な練習をしなければできないものではありません。

明日からでも始められます。

● 自分から挨拶をする。

● 指導者や仲間の話を最後まで聞く。

● 感謝の気持ちを言葉にする。

● ミスをしたときは、次の行動に目を向ける。

● 道具やグラウンドを大切にする。

● 自分に任された役割を最後まで果たす。

どれも当たり前のことかもしれません。

しかし、その当たり前を毎日続けることは、決して簡単ではありません。

中学時代に身につけた習慣は、高校へ進学したときにも自分を支えてくれるはずです。

そして、こうした心作りは、選手だけに求めるものでもありません。指導者や保護者も、挨拶や感謝、相手を尊重する姿勢を日々の行動で示していきたいものです。

⚾ 最後に

高校野球で活躍するために、技術を磨くことは欠かせません。

球速を上げることも、打撃を磨くことも、守備力を高めることも大切です。

しかし、技術だけを磨けばよいわけではありません。

周囲への感謝を忘れず、仲間を大切にし、苦しいときにも自分のできることを考えて行動する。

そんな選手は、野球を通して多くのことを学び、成長していけると思います。

中学野球は、高校野球への準備期間でもあります。

技術を磨くと同時に、心を育てること。そして、礼儀を形だけのものにせず、相手を大切にする気持ちとして身につけること。

高校野球の舞台に立ったとき、自分の力を発揮できる選手になるために。

今できることを、一つずつ積み重ねていきましょう。

いい指導が、選手の未来を変える。

技術だけでなく、人としての成長も支えられる指導を、これからも大切にしていきたいと思います。

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