
野球の指導をしていると、肩や肘、腰、膝など、体のさまざまな部分に目が向きます。
もちろん、どこも大切な部分です。
その中でも、私が特に意識してほしいと思うのが、肩甲骨と股関節です。
この2つは、野球の動きを考えるうえで、とても重要な役割を持っています。
投げる、打つ、走る、守る。
どの動作にも関係してくる部分です。
そして、ぜひ知っておきたいのが、肩甲骨と股関節は、どちらも大きく動かすことができ、回旋する動きも重要になるということです。
ただ筋力をつけるだけでなく、しっかり動かせる体を作ることが大切だと思います。
⚾ ① 肩甲骨の動きが投げる力を支える
投球動作では、腕や肩だけを使って投げているわけではありません。
肩甲骨の動きが、腕を振るための土台になっています。
肩甲骨は、背中の上部にある骨で、胸郭の上を滑るように動きます。
寄せる、開く、上げる、下げる、上向き・下向きに回旋するなど、さまざまな動きがあります。
この動きが硬くなったり、うまく使えなくなったりすると、投球動作にも影響する可能性があります。
指導者としては、肩甲骨周辺の筋力だけでなく、動きの大きさや左右差にも目を向けたいところです。
肩甲骨は、腕を動かすための大切な土台です。
🏃 ② 股関節は走る・打つ・投げるための中心
もう一つ大切なのが股関節です。
股関節は、骨盤と太ももの骨をつなぐ関節で、体の中でも大きな可動域を持っています。
前後に動かすだけでなく、外側や内側に動かしたり、内旋・外旋といった回旋動作を行ったりできます。
野球では、この股関節の動きがさまざまな場面で必要になります。
● 打撃では、下半身の回転や体重移動に関係する。
● 投球では、踏み出しや軸足の使い方に関係する。
● 守備では、低い姿勢を作ったり、左右に動いたりする。
● 走塁では、スタートや方向転換を支える。
股関節が十分に動かないと、ほかの部分で無理に動きを補おうとすることがあります。
だからこそ、股関節の柔軟性や筋力、動かし方を普段から確認しておきたいと思います。
👀 ③ この2つに共通するのは「回る動き」
肩甲骨と股関節について、特に強調したいのが回旋する動きです。
野球は、体をひねる動作が多いスポーツです。
投球では、下半身から体幹、肩、腕へと動きがつながります。
打撃でも、股関節周辺の動きや骨盤、体幹の回旋がスイングに関係します。
そのとき、肩甲骨や股関節が適切に動くことが大切になります。
ただし、肩甲骨と股関節だけを回せばよいわけではありません。
体幹や骨盤、足首なども含めて、体全体が連動することが重要です。
野球の動きは、腕や足だけで作るものではありません。体の中心から動きをつなげていくことが大切です。
💪 ④ 普段の練習に取り入れたい補強メニュー
肩甲骨と股関節は、特別な器具がなくても動かすことができます。
指導者として、普段のウォームアップや補強運動に取り入れたいメニューを紹介します。
肩甲骨周辺の運動
● 肩甲骨回し:肩を大きく前後に回し、肩甲骨の動きを意識する。
● 肩甲骨の開閉:両腕を前に伸ばし、肩甲骨を開いたり寄せたりする。
● 壁を使った腕上げ:壁に向かって立ち、腕を上げ下げして肩甲骨の動きを確認する。
● 四つ這いでの肩甲骨運動:肘を伸ばしたまま、肩甲骨を開く・寄せる動きを行う。
股関節周辺の運動
● 股関節回し:片足を上げ、股関節を大きく回す。
● ランジ:片足を前に出し、股関節周辺を動かす。
● ヒップリフト:お尻の筋肉を使い、骨盤を安定させる。
● 片足立ち:バランスを保ちながら股関節周辺の安定性を高める。
● 股関節の内旋・外旋運動:無理のない範囲で、股関節を内側・外側に動かす。
大切なのは、回数をこなすことだけではありません。
どこの部分を動かしているのかを選手自身が理解し、正しい姿勢で取り組むことです。
痛みが出るほど無理に回したり、反動をつけて動かしたりしないように注意したいですね。
🤝 ⑤ 指導者は、筋力だけでなく動きも見る
トレーニングというと、筋力をつけることに意識が向きがちです。
しかし、野球では筋力があるだけでは十分ではありません。
必要なときに必要な範囲で体を動かせることも大切です。
例えば、肩甲骨の動きが小さい選手。股関節の内旋や外旋が苦手な選手。
こうした特徴を知っておくだけでも、ウォームアップや補強の内容を考えやすくなります。
選手全員に同じ運動を同じようにさせるのではなく、一人ひとりの体の状態を見ながら取り入れたいと思います。
また、投球時に肩や肘に痛みがある選手に、肩甲骨の運動だけをさせて解決しようとしてはいけません。痛みが続く場合は練習を中止し、専門家に相談することも必要です。
🌱 体を鍛えるだけでなく、動かせる体を作る
肩甲骨と股関節。
この2つは、野球の動きを支える大切な部分です。
どちらもさまざまな方向に動き、回旋する動きが重要になります。
だからこそ、筋力をつけるだけでなく、柔軟性や可動性、安定性も考えながらトレーニングを取り入れたいと思います。
肩甲骨が動く。股関節が動く。そして、その動きが体全体につながる。
投げる力、打つ力、走る力を高めるためにも、普段のウォームアップや補強の中で、この2つを意識していきたいですね。
指導者として、選手の技術だけでなく、技術を支える体の動きにも目を向けていきたいと思います。
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