
練習試合の日、指導者はベンチに座ってゆっくり試合を見ているでしょうか。
私は、練習試合こそ指導者が忙しく動かなければならない時間だと思っています。
試合の流れを見る。
選手の動きを見る。
相手チームの特徴を見る。
次のプレーを考える。
そして、試合の中で起きていることを、できるだけ多く自分たちのチームの成果につなげていく。
実際にやることはたくさんあります。
練習試合は、ただ試合をする時間ではありません。球場全体から学ぶ時間でもあります。
① 指導者が見るべきものは、ボールだけではない
試合中、どうしてもボールの行方ばかりを追ってしまいがちです。
もちろん、プレーを見ることは大切です。
ただ、指導者が見るべきものは、それだけではありません。
例えば、打者が打席に入る前の準備。
走者のリードの取り方。
投手のけん制や間の取り方。
内野手の守備位置。
外野手のカバーリング。
ベンチにいる選手の様子。
こうしたことにも目を向けたいところです。
ボールが動いていない時間にも、試合の中にはたくさんの情報があります。
次のプレーに向けて、どの選手が準備できているのか。
声を掛け合えているのか。
チームとしての動きができているのか。
ボールを追うだけでなく、ボールのないところを見る。
これも指導者に必要な視点だと思います。
② 相手チームからも学ぶことはたくさんある
練習試合では、自分たちのチームだけでなく、相手チームにも目を向けたいものです。
相手の投手はどんな配球をしているのか。
走者はどんなタイミングでスタートを切るのか。
内野手はどのような位置で守っているのか。
ベンチからはどんな声が出ているのか。
相手チームのよいところを見つけることは、自分たちのチームを成長させるヒントになります。
例えば、相手の三塁手が前進守備をするタイミング。
一塁手がけん制に入るときの動き。
外野手のカバーリングの位置。
普段、自分たちの練習だけでは気づきにくいことも、実際の試合を見ることで発見できます。
よいプレーがあれば、ぜひ選手にも伝えたいですね。
「あのチームのあの動き、いいと思わない?」
そんな声掛けから、選手の視点も広がっていくと思います。
③ 自分たちの選手をいろいろな角度から見る
練習試合は、選手を評価する機会でもあります。
ただ、打った、打たなかった。
捕った、捕れなかった。
結果だけで判断してはいけません。
例えば、打撃なら、
● 打席に入るまでの準備はできているか
● 相手投手に合わせた対応ができているか
● 打てなかった後に気持ちを切り替えられるか
守備なら、
● 打球への一歩目はどうか
● 捕球前の準備はできているか
● 自分のところに打球が来なくても動けているか
走塁なら、
● リードの大きさは適切か
● 次の塁を狙う意識があるか
● 打球判断ができているか
こうした部分まで見ると、選手の成長や課題が見えてきます。
一つのプレーでも、見る角度を変えることで得られる情報は変わります。
④ ベンチにいる選手にも目を向ける
試合に出ている選手だけを見ていてはいけません。
ベンチにいる選手にも、指導者が見るべきものがあります。
試合に出られない時間をどう過ごしているのか。
試合の流れを見ているのか。
仲間のプレーに声を掛けているのか。
自分が出場したときの準備ができているのか。
こうした姿勢も大切な評価の一つだと思います。
また、控え選手に試合を見ながら考えさせることもできます。
「今の場面、自分ならどうする?」
「次に同じ打球が来たら、どこに動く?」
ただベンチで待つのではなく、試合に参加している意識を持たせたいですね。
試合に出ていない時間も、選手が成長できる時間です。
⑤ 球場全体を見ることで、次の指導につながる
私が特に大切だと思うのは、球場全体を見ることです。
試合の展開だけでなく、選手の動き、相手の特徴、ベンチの雰囲気、試合前後の準備まで見る。
例えば、試合前のアップで選手の体の動きはどうだったか。
試合中、疲労が出てきた選手はいないか。
暑さの中で水分補給や休憩は適切にできているか。
試合後、選手同士でどんな話をしているか。
こうしたことも、指導者にとって大切な情報です。
ただし、すべてを一人で完璧に見ようとする必要はありません。
必要に応じてコーチやスタッフと役割を分担し、選手の安全や体調管理も優先することが大切です。
⑥ 座る暇がないほど忙しい理由
こうして考えると、練習試合で指導者が見るべきものは本当にたくさんあります。
一つのプレーが終われば、次のプレーが始まる。
その間にも、選手の準備や相手の動き、次の起用などを考えなければなりません。
だからこそ、私は練習試合では座っている暇がないくらいの意識でいたいと思っています。
もちろん、ずっと立っていなければならないという意味ではありません。
大切なのは、試合を受け身で見るのではなく、積極的に情報を集めることです。
気づいたことをメモする。
試合後に選手と確認する。
次の練習に取り入れる。
そうした積み重ねが、チームの成長につながります。
⑦ 球場にあるすべてを、自分たちの成果にしたい
練習試合では、勝ち負けだけでなく、たくさんのことを学ぶことができます。
相手チームのよいプレー。
自分たちの選手の成長。
普段の練習では見えなかった課題。
ベンチでの選手の姿勢。
そして、指導者自身が気づいたこと。
せっかく一日を使って試合をするのなら、そのすべてを自分たちのチームの財産にしたいと思います。
球場にあるものを、どれだけ自分たちの成果に変えられるか。
それは、指導者の視野の広さにも関係してくると思います。
ボールだけを見ていては、気づかないことがある。
目の前のプレーだけを見ていては、見逃してしまうことがある。
少し視野を広げるだけで、試合から得られるものは大きく変わります。
練習試合は、選手が学ぶ場所であると同時に、指導者が学ぶ場所でもあります。
指導者の視野が広がれば、選手に伝えられることも増えていく。
そんな意識を持って、これからも一試合一試合を大切にしていきたいですね。
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