中学野球の指導をしていると、キャッチボールを大切にしているチームは多いと思います。
ただ、選手たちに「しっかり投げろ」「相手の胸に投げろ」と声をかけるだけで、本当に投げる力は身につくのでしょうか。
私は、キャッチボールは単に肩を温めるための練習ではなく、投げる・捕るという野球の基本を身につける大切な時間だと考えています。
そのために取り入れたいのが、ドリル的な練習です。
⚾ いきなり投げるのではなく、動作を分けて練習する
例えば、ボールを投げる動作には、足の運び、体重移動、軸足の使い方、ステップ、腕の振り、リリースなど、さまざまな動きが関係しています。
これらを一度に意識させても、選手はなかなかうまくできません。
そこで、動作を分けて練習します。
● ① ボールの握りと手首の使い方
ボールの握り方や指先の感覚を確認する。
● ② 上半身を使った近距離スロー
力まず、腕の振りとリリースの感覚を身につける。
● ③ ステップを意識したスローイング
軸足から踏み出す足への体重移動を意識する。
● ④ 正面を向いて捕球する練習
グラブの出し方、捕球位置、捕った後の持ち替えを確認する。
● ⑤ 通常のキャッチボール
ドリルで身につけた動作を、実際の投げる・捕る動きにつなげる。
大切なのは、形だけを覚えさせることではありません。選手自身が「何を意識する練習なのか」を理解して取り組むことです。
⚾ ドリル練習は、苦手な選手を伸ばすためにも必要
キャッチボールが苦手な選手に対して、距離を伸ばしたり、強く投げるように指示したりするだけでは、かえって悪い癖がつくこともあります。
まずは近い距離から、正確に投げることを意識する。捕球が苦手なら、捕球動作だけを取り出して練習する。
一つひとつの動きを確認し、できるようになったら次の段階へ進む。
こうした積み重ねが、結果として安定した送球や守備につながっていきます。
もちろん、選手の体格や筋力、成長段階によって、身につけやすい動きは違います。全員に同じ形を求めるのではなく、それぞれの選手の状態を見ながら指導することも大切です。
⚾ 指導者が意識したいこと
キャッチボールは毎日行う練習だからこそ、何となく終わらせてしまいがちです。
しかし、毎日の練習に少し工夫を加えるだけで、その時間の意味は大きく変わります。
今日はステップ、明日はリリース、次の日は捕球から送球への動作。テーマを絞って取り組むことで、選手も自分の課題を意識しやすくなります。
そして、最後は通常のキャッチボールの中で、その動きができているかを確認する。
ドリルで動きを覚え、キャッチボールで身につけ、実際のプレーにつなげる。
中学時代に身につけた基本動作は、高校野球に進んでからも選手を支える土台になります。
毎日繰り返すキャッチボールだからこそ、指導者が目的を持って取り組ませたいものです。
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